兵庫県姫路市夢前町の水産加工会社ヤマサ蒲鉾の「蓮の花苑」が見ごろを迎えている。
同社は15年前に工場直売所への誘客を狙って「芝桜の小径」を工場敷地内で整備、春には多くの観光客が訪れる名所となっている。
蓮の花苑は、芝桜の花の期間が短いため「もう少し長く鑑賞できるものを」と考えて隣接する田んぼを活用し、2018年から公開を始めた。その面積は1万2千平方㍍に及び、白、黄、紫など6種類の蓮花が7月末まで楽しめる。花苑の中には桟道が整備されているので、まるで蓮花の海を歩いているかのような気分が味わえる。
国内には蓮公園がいくつかあるが、ここほど多くの蓮花が手で触れられる距離で鑑賞できる場所は珍しい。さらに一昨年は100年に一度現れるという大変珍しい「双頭蓮」が咲いた。この花は幸せを招く吉祥の花と言われており、日本書紀にもその記述がある。
また一帯はジャコウアゲハやトンボが飛び交い、雨蛙が葉の上で遊ぶ様子も見ることができる。珍しい鳥がやってくるので、早朝より写真を撮りに来る人も多い。同社の名田和由社長は「いつかカワセミとコウノトリが飛んでくるのを楽しみに待っている」と話す。入場料無料、駐車場は本社内の夢鮮館前を開放している。花を楽しんだ後は、名物ちぃかまどっぐや夢そばも味わってみて。