「夢を持ってエネルギー届けたい」長年の人間関係を強みに成長する建設会社
「会社が伸びるには、まず従業員に会社を好きになってもらわないといけない」と、地域での奉仕活動や住民との交流に全社挙げて前向きに取り組む坂上グループ。昭和40年に燃料店を創業以来、半世紀にわたって地域に密着してきた同社の姿勢には住民からも厚い信頼が寄せられる。業況と今後の抱負を新旧経営者に聞いた。
プロパンガス販売店から事業がスタートした。
【坂上明憲会長(以下、坂上会長)】父が昭和40年に立ち上げた。ところが昭和44年に早くして亡くなってしまい、私が21歳で引き継ぐことに。当時、お客は500軒ほどで、何とか飯だけは食べられた。ただ、設備投資するほどの余裕がなく、会社を大きくするのがなかなか難しかった。そうこうするうちにガス風呂が普及し始め、プロパンに加えて風呂や水道設備の工事もまとめて引き受けるようになった。これが総合建設に参入するきっかけ。プロパンがあったからこそで、これは先代に感謝しかない。
半世紀を振り返って、一番の苦労は。
【坂上会長】それが脳天気なのか、記憶にない。仕事がしんどいのは当たり前。お金のない時はもちろんあったが、そんなものは苦労でない。お金がなければ一生懸命に仕事をして稼ぐしかないし、仕事が少なければお客にもらいに行くだけ。金融機関には初めから借りっ放しだが、借金も儲けたら返すというだけのこと。全然苦に思わない性分だから会社を伸ばせたのかも知れない。
現在のグループ構成と業況は。
【坂上会長】設立の古い順に、住宅設備工事の「坂上住設」、非住宅事業の「坂上建設」、不動産の「坂上興産」、注文住宅の「ビオラホーム」、介護事業の「さかがみ」の5社で、2022年3月期の連結売上は約20億円。 グループの中心は坂上建設。今は企業の物流倉庫や工場、土地活用プランで提案する福祉施設などの建設が順調で、年間10億円ほどで推移してきた売上は今期15億円まで増えそうだ。注文住宅はコンスタントに年間20棟を手掛けている。コロナの影響で遅れていた工事が進み始めたので、今期は4億円超を見込んでいる。
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