〝リアルでちょっと怖い妖怪〟を切り口に町おこしを展開している福崎町で、新作の妖怪ベンチ「砂かけ婆」がお目見えした。
妖怪ベンチは河童や天狗、雪女などの等身大人形を乗せた長椅子で、全国の妖怪ファンにSNS映えする写真を発信してもらおうと2016年から町内各所で設置し始めた。店先に置いている飲食店や小売店は売上アップにもつながっているという。
今回で22基目となるモチーフ砂かけ婆は、同町出身の民俗学者・柳田國男が著した「妖怪談義」で「お社の淋しい森の蔭などを通ると砂をばらばらと振りかけて人を嚇す」と紹介されている。
ベンチの中央に腰掛けた婆は高さ約70㌢。2本の指でハート型を作り、体のあちこちにハートマークの模様を散りばめているほか、手足の肌のシミが干支の形をしているなど遊び心満載。尖らせた口には風を吹き続ける電気仕掛けも取り付けている。
設置場所は同町西田原の町役場前にある但陽信用金庫福崎支店。同信金が費用約250万円を企業版ふるさと納税で寄付した。同信金は「姫路城の観光客に福崎へも来てもらいたい。銀の馬車道を北上して鉱石の道へ向かう周遊ルートができることを期待する」と話している。