航空宇宙研究の発展を目指す日本航空宇宙学会の「宇宙科学技術連合講演会」が11月5日から9日までの5日間、姫路市内で初開催された。宇宙に関する日本最大級の大会とあって、アクリエひめじ全館貸切での実施。学術機関や企業が取り組む最新の実験・調査活動の詳細発表のほか、宇宙飛行士の若田光一さんが宇宙での生活実体験を紹介する企画もあり、全国各地から研究者延べ2,300人が大挙して来姫した。
中日の7日には、同市ならではの「ユニークベニュー(特別な会場)」の一つ、姫路城三の丸西高台でレセプションパーティーも実施。過去のユニークベニュー活用例としては最多となる1,000人が参加したことが考慮され、姫路観光コンベンションビューロー(CB)から計200万円の補助金も交付承認された。
パーティーでは、同学会の中須賀真一会長が宇宙関連研究への政府補助が前年の2.5倍に増えて過去最大になっていることを踏まえて「今回の姫路大会を新しい宇宙ビジネス立ち上げの起点にしたい」と意欲的に挨拶。続く来賓の清元秀泰市長は、探査機「はやぶさ2」に搭載された試料輸送カプセルを製造した佐藤精機(同市余部区)の技術や、同機が持ち帰った小惑星の砂の分析に携わったSPring-8(佐用町)の性能をアピールし、今後の播磨での宇宙開発の展開に期待を寄せた。
姫路観光CBによると、期間中は関係者らが姫路に連泊したことで、レベニューマネジメント(顧客需要に合わせた価格変動で利益を最大化させる手法)を採用するホテルの宿泊費は4万円まで高騰。ホテル業界にとっては例年の姫路城マラソンに匹敵する経済効果があったという。