国宝姫路城で西小天守の内部が初めて公開されている。姫路城は1912年(大正元)に一般登城客を受け入れるようになったが、西小天守は床面や扉など各所に傷みがあったため、今まで一度も公開されたことがなかった。姫路市が世界遺産登録30周年の節目に特別公開しようと、少しずつ補修してきたという。
西小天守は大天守の西南に位置し、3重3階地下2階の構造。3重目の南面には乾小天守と同じ花灯窓の装飾が施されて華やかな印象がある一方、籠城時には敵の攻撃から天守を防御する最終拠点の役目を果たす。天守の入口となる水の五門と水の六門の間に設けられた枡形虎口を見下ろし、侵入してきた敵を至近距離から狙い撃ちできるようになっている。
今回の公開では、姫路城最大の特徴である連立式の築城形式を体感できるよう、イの渡櫓から東小天守2階、ロの渡櫓、乾小天守2階、ハの渡櫓を通って西小天守に至り、西小天守内からニの渡櫓越しに大天守への扉を見るルートを特別設定した。姫路城管理事務所は「満を持しての初公開。美しさだけでなく、防御力の高さもこの機会に体感してほしい」と話している。
2月29日まで、入城料とは別に観覧料300円が必要。問い合わせは同事務所(電話079-285-1146)。