「観光の経済効果を最大化する」、DMO認定の姫路コンベンション

経済・企業

姫路DMOの基本方針説明会で挨拶する三宅知行理事長

姫路観光コンベンションビューロー(CB)は、地域経営の視点に立った観光地域づくりの司令塔役を意味する観光庁の「登録DMO」として昨年11月に認定されたことを受け、その役割をどのように果たしていくのか、今後の取り組みの基本方針をまとめて1月20日、会員事業者に向けた説明会を開いた。宿泊や飲食、交通など観光に携わる約60人が集まった。

事務局は姫路DMOの最大の活動目的を「観光施策の経済効果の最大化を図ること」と説明。そのための手段として(1)滞在型観光への変革と誘客・観光消費の最大化、(2)司令塔を担う体制づくり、(3)データの活用強化─を掲げた。

各項目の具体策としては、(1)で事業者や行政が個々に行ってきた情報発信やプロモーション活動の一元化・早期化、(2)で「宿泊事業」「商品開発」「観光イベント」の3ワーキンググループによる民間の発想の積極活用─を特に重要視した。DMO資格は3年更新で、1回目の更新期を迎える24年10月までにこれら具体策を本格稼動させる。

また、「目的達成にはDMO運営に要する人員と安定的な財源の確保が欠かせない」とも説明。現在のコロナ禍で収益の柱である姫路城売店事業が赤字に陥り、行政からの補助事業でやりくりしている実情を明かすと、会員からは「市から入城料の一部を回してもらえないか」「大手前公園に舞台を常設してイベント経費を削減できないのか」といった意見が出された。事務局は宿泊税や入湯税といった特定財源や公物管理の受託について姫路市と協議していく考えを示した。

事務局は、22年度中に海外との往来が少しずつ再開し、25年度にはインバウンドが19年度レベルまで回復するとの見通しに立ち、その間に続く姫路城世界遺産登録30周年やJRのデスティネーションキャンペーン(23年)、大阪・関西万博(25年)などビッグイベントに観光復興の期待をつなぐ。三宅知行理事長は「事業者や行政と密に連携してDMO運営を軌道に乗せていきたい」と話している。

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