日本製鉄は瀬戸内製鉄所広畑地区(姫路市広畑区富士町)に新設した最新式電気炉の商業運転を10月から開始した。
電炉一貫で電磁鋼板をはじめとする薄板ハイグレード商品を製造・供給する世界初となる設備。今年6月から試運転していた。生産能力は月間約6万㌧。
同社はカーボンニュートラルを経営の最重要課題とし、「高炉水素還元」「大型電炉での高級鋼製造」「水素による還元鉄製造」の3つの革新技術の研究開発に取り組んでいる。広畑地区の新電炉による高級鋼製造は顧客のカーボンニュートラル・ニーズに応える第一歩との位置付けで、ここで得られた知見・技術を活用し、今後、大型電炉での高級鋼製造に挑戦するという。
具体的には、茨城県神栖市の研究開発センターに小型電気炉を設置し、2024年度から試験を開始する計画。30年度での大型電炉の実機化を目指す。