兵庫県は県立13病院(指定管理3病院含む)の2023年度決算を発表した。
全体の経常収益は、はりま姫路総合医療センター(姫路市神屋町・はり姫)がフルオープンした好影響があったものの、新型コロナが5類に移行したことで国からの病床確保料が大幅減少したため、前年度から1%増の1631億円にとどまった。一方で経常費用は物価高騰や賃金上昇の影響で5%増の1721億9千万円となったことから、94億円の最終赤字を計上することとなった。
はり姫は、年度当初に736床でフルオープンしたことで入院患者数が前年度から4万4千人増の21万8千人、外来患者数が5万2千人増の25万人に。これにより医業収益が増加し、経常収益は30%増の311億7400万円に。経常費用は、業務量が拡大した割に材料費や経費の膨張を抑えることができたが、減価償却費の負担が重くのしかかり、20%増の335億8100万円となった。最終損益は、特別損失に旧姫路循環器病センター撤去費を計上した前年度から約50億円改善したものの、25億円の最終赤字を計上した。
また、開設から20年以上経ち、利便の良い大阪や神戸の類似施設との競合で患者数が減少している粒子線医療センター(たつの市新宮町)は9億円の最終赤字となった。外部有識者等からなる検討委員会で存廃を含め今後の方向性を協議中。
播磨のほかの県立病院決算は、▽加古川医療センター(加古川市神野町)=経常損失11億円、純損失12億円▽リハビリテーション西播磨病院(たつの市新宮町)=経常損失1700万円、純損失同。