自動車や半導体、建設、農業など各種産業分野で用いられる部品のオーダーメイドを半世紀以上手掛けてきた金属加工会社「中山合金鋳造所」(福崎町西治)が、創業地の姫路市香寺町で念願のシェア工房を開いた。
本社移転後に倉庫としていた同町田野984の建屋を改装し、溶接機やテーブルソー、光造形機、レーザープリント加工機といったプロ仕様の工作機器・工具を並べた。手ぶらで来館してもDIYを楽しめるように、金属、木材、樹脂など様々な材料も用意(有料)。同社スタッフの指導のもと、一点物を鋳造体験することも可能だ。
多彩なジャンルの技術者たちと親交のある同社の濵本直弥社長が温めてきた構想を具現化したもの。同社のようにB to B(企業間取引)が主の製造業は、とかく受け身で作業環境も閉鎖的になりがちだが、これが町工場衰退の一因と捉える濵本社長は、「現場を開放することで生まれる新しい事業展開や付加価値もあるのではないか」と開設の動機を話す。
館内には共有作業室と貸切個室があり、基本使用料は1時間1,500円〜2,900円。2〜3人の仲間と半日以上は作業に没頭するという本格派には月会員制度(12,000〜30,000円)もある。いずれも会員登録料として初回に3,000円が必要。
「利用者がワクワクして通うスペースになるのが理想。異業種や地域とのつながりを深めて化学反応を起こしたい」と濵本社長。来年は館内にカフェスペースを開設し、夏休みには親子向けの少し高度な木工教室開講も予定する。
営業時間は10時~22時で不定休。詳細はホームページ(https://www.nac777.com/twelve-division/libra/index.php)。