テレワーク定着でリフレッシュ住宅が好調
新型コロナウイルス感染症の拡大は住宅需要にも大きな影響を及ぼしている。感染予防策として多くの企業がテレワーク(在宅勤務やリモートワーク)の制度化を進めていることを背景に、リフォーム済み既存住宅(中古住宅)の売れ行きが伸びているというのだ。中でも、部屋数が多い郊外の物件が特に人気という。中古住宅の買取再販事業で兵庫県下でも有数の不動産会社「アートランド」の武本尚社長に事業好調の要因と今後の展望を聞いた。
アートランドのリフレッシュ住宅施工事例①
世間によくある不動産仲介会社ではない。主な事業内容は?
中古住宅の買取再販事業を柱に、住宅地の造成販売や事業者向け不動産販売を展開している。買取再販では、仕入れた土地付き一戸建ての中古住宅をまずは一級建築士が顧客目線で細部に至るまで調査し、その結果に基づいて事業パートナーである工務店が新築並みにリフォームを施した上で住宅ローンの毎月返済額が周辺の家賃相場以下になるような価格で提供している。
リフレッシュ住宅と呼んでおり、近年の販売実績は年間40件前後。1992年の創業だが、リフレッシュ住宅事業の先駆けだと自負している。
創業のいきさつは?
バブル崩壊直後にマンション開発会社を退職したのが転機。不動産市場はどん底状態で、これからの不動産事業にどう取り組むか思案の毎日だった。そんな中、しばらくは不景気が続くからローンが払えずにマイホームを手放す人が増えるだろう、ならば優良物件を安く仕入れられるはずだと競売市場に目を付けた。仕入れにとって不景気は逆に追い風となった。狙い通り、競売で仕入れた物件を新築さながらに改装して売り出したら、すぐに買い手が付いた。
創業時と現在とで事業や市場はどのように変化してきた?
創業当時から一貫して兵庫県西部で事業展開してきたが、快適で安心な住まいをリーズナブルな価格で提供するという点で事業内容に変化はない。
ただ、少し前までは姫路市を中心に播磨地域の顧客が大半だったが、新型コロナが流行し始めてからはホームページを見て神戸や大阪、京都方面から多くの問い合わせが寄せられるようになった。遠くは神奈川からの引き合いもあるし、安全安心な生活環境を求めて感染者が相対的に少ない市町で物件の有無を問い合わせてくるケースもある。ウィズコロナの時代に入り、会社の近くに住む必要性がなくなってきた。郊外でゆったりと住居兼仕事場を構えたいというニーズが非常に高まっていると感じる。
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