「食を通じて元気と笑顔を届けたい」、コロナ後を見据えて新スタイルを発信し続ける姫路の老舗レストラン
姫路市で創業52年を数えるレストラン「清交倶楽部」。地域で6店舗を運営し、多くの企業や家族に親しまれてきた同店は、このコロナ禍の苦境をどう受け止めているのか。各店の業況や受難克服の手立てを清交倶楽部の西脇康雄社長に話を聞いた。
「清交倶楽部」は創業の経緯から姫路経済界と深い関わりがあるが。
大戦中の姫路大空襲で所屋を焼失した姫路商工会議所が1950(昭和25)年に新会館を建設した際、商議所会員の憩いの場として開設されたのがルーツ。当時からロータリーやライオンズクラブの例会でも食事を提供していたようだ。その後1970(昭和45)年に商議所会員有志による出資で法人化、同時に神戸市のレストラン経営会社「シンエーフーヅ」が事業に加わったことで外食企業としての地歩が固まった。
「清交倶楽部」では現在、姫路市内でレストラン4軒、たつの市で道の駅、相生市でホテルと、計6店を展開している。外食、宿泊業界は受難の時代だが、道の駅が比較的順調のようだ。その理由は?
12年前、開業するに当たって、野菜や果物、花きといった農産物から、「前どれ」の鮮魚に乾物、加工食品や調味料、さらに革細工に代表される物産など、さまざまなジャンルの商品を供給してもらう会員制の生産者部会をたつの市内5地区で立ち上げた。当社が事務局となり、約200人の生産者や室津漁業組合と協議しながら販売上の各種ルールを設定していったわけだが、好調なのはこの時の苦労と会員の皆さん、地域の皆さんの協力の賜物だ。会員と当社が互いに言いにくいことを前向きに指摘し合える土台があるから、お客さんに安定的かつお得な価格で商品を提供でき、それが店への支持につながっている。
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