姫路市は今年度から、LED照明化した姫路城の夜景と組み合わせた中心市街地の新しいライトアップ事業を始める。時期は旅行閑散期の冬季。姫路城三の丸広場や大手前通りでコンピューター制御の多彩な光の演出を施し、夜の賑わいを創出。観光誘客、とりわけ今後の滞在型観光促進に向けた姫路のイメージアップを目指す。
三の丸広場では、昨年12月の姫路城世界遺産登録30周年記念プレイベント「鏡花水月」を踏襲し、光と水と音楽が響き合うライトアップイベント「姫路城 Castle History 30th 鏡花水月」を企画。三の丸にかつて存在していたとされる向屋敷庭園の美しい水辺を連想させる水鏡を設置し、11月22日から12月11日まで20日間公開する。昨年は10日間の無料開放で約4万7千人を集客したことから、今回は有料方式(料金未定)で実行する。
大手前通りでは、姫路駅から姫路城前交差点までの東西の沿道樹木約130本でLED照明を灯すほか、歩道のモニュメントにもスポットライトを当てる。11月22日から来年2月29日までの100日間、日の入り時間から22時までを予定。
大手前イルミネーションのイメージ図(Ⓒ石井幹子デザイン事務所)
主に車道側に立つクスノキに光色変化が可能なLEDを取り付け、毎日20時と21時には城の「彩雲ライトアップ」の動きに準じた柔らかい色調の光を灯して街全体を彩る。歩行者が行き交う歩道中央に並ぶイチョウは人の目に優しい白色光とし、クスノキのイルミネーション効果を引き立てるよう、静的イメージで統一する。
今後、8月中下旬頃に樹木数本で試験点灯した後で詳細設計に入り、10月から本格的な取り付け工事にかかる予定。
このほか、大手前通りに21体設置されているブロンズ彫刻にも立体感を浮き立たせるスポットライトを取り付けて〝芸術のまち・姫路〟をアピール、若者への訴求を狙ってSNS映えする撮影スポットも各所に設える。
また、期間中は姫路駅北にぎわい交流広場(芝生広場)でもライトアップを実施するほか、大手前公園で11月23日から26日まで催されるグルメイベント「姫路食博2023」(姫路食文化協会主催)では日程の一部で夜間の延長営業を計画する。
市は一連の事業に合わせ、経済波及を見据えた各種販促イベントやおもてなしキャンペーンも姫路観光コンベンションビューローを中心に、姫路大手前通り街づくり協議会、姫路市商店街連合会などと連携して展開していく考え。
事業は複数年継続していく計画で、主管する産業振興課は「初年度から様々な仕掛けに取り組み、来年度以降に修正しながらグレードアップしていきたい」と話している。