播磨地域にも廃止された鉄道路線「廃線跡」が多数存在するが、そこを歩くことは意外に楽しい。遊歩道としての廃線跡の利点は急勾配がないということで、足に自信のない人でも心配無用。距離が比較的短く、生活区域からあまり離れていないところも多いので、トイレや買い物の点でも安心、さらに車道や自転車道に転換された境界も分かりやすいので安全だ。
姫路市内でおすすめなのは、「国鉄飾磨港線」の旧中央卸売市場(延末)から国鉄飾磨駅跡(飾磨区細江)まで約3キロの区間。歩道も整備されており、橋桁や駅の遺構が随所に見られて面白い。
また、三木市の「国鉄三木線」は約5キロの歩道が整備され、途中には駅舎やレールも一部残っていてマニアにはたまらない魅力がある。旧三木駅舎が記念館になっているので歴史を学ぶこともできる。西脇市─多可町の「国鉄鍛冶屋線」は13キロと少し距離が長いが、こちらも歩道が整備されている上、途中に保存されている気動車も見応えあり。
加古川市の「別府鉄道」は多木化学から国鉄高砂線野口駅までを結ぶ野口線と、土山駅に向かう土山線の2路線ともよく残されている。途中の円長寺には戦前型の気動車が、また大中遺跡にはディーゼル機関車と客車が保存されている。こちらは両路線を歩くと約8キロの行程だ。高砂市の「国鉄高砂線」も加古川駅から高砂港までを辿ることができるが、車道に転用されたり立ち入り禁止部分もあるので注意が必要。国鉄高砂駅付近に残されているは転てつ機はマニアでなくともぜひ見てほしい。
赤穂市の「赤穂鉄道」は国鉄有年駅から播州赤穂駅(神姫バス赤穂営業所)までの13キロを結んでいた。国鉄赤穂線開通と同時に廃止されたが、廃線跡が状態の良いまま残っており、駅跡の標柱も整備されているので親切。ただし、途中で狭い車道になっている部分もあるので注意は必要だ。 ようやく暑さが和らいだ。心地よい風に吹かれ、これら廃線跡ウォーキングで行楽の秋を楽しんでみてはいかが。