姫路の奥座敷と称される塩田温泉郷の老舗旅館「夢乃井」(姫路市夢前町前之庄)が、別館「里の館」を改装し、愛犬と一緒に泊まれる「夢乃井プラスONE」としてリニューアルオープンした。
夢乃井はもともと阪神方面からの団体客が多い傾向にあるが、コロナ禍で稼動率が大幅に低下したため、コロナ後は個人客を主要ターゲットに据えて営業展開するようになった。その過程で、個人客にはペットを同伴したいというニーズが高いことが分かり、昨年、別館の客室の半分をペット同伴可に改装。すると反響が予想以上に大きかったことから、さらに残る部屋も改装して別館自体を名称変更し、全12室のペット同伴専用館として大々的にアピールすることにしたもの。 愛犬が走っても滑らないフローリング材を室内に敷き、玄関アプローチに専用の車両乗降場所やペットの足洗い場を設置したほか、前庭に遊歩道やドッグランなど愛犬ファーストの設備を整えた。同時にペット用おやつ、フードボウル、トイレ、抜け毛掃除の粘着ローラー、蓋付ごみ箱、ウェットティシュ、エチケット袋など室内アメニティも充実させ、ひと時も愛犬と離れることなく過ごせるよう、食事も自室でできるよう配慮している。
愛犬をペットホテルに預けるのを心苦しく思って旅行を諦める飼い主は多いが、愛犬家のために施設を本格改装する例はまだまだ少数派。夢乃井は今後もペット入室可のレストランや大規模ドッグランなどを計画しており、「全国の愛犬家に注目される宿を目指す」と話している。