友好都市を共同宣言している福崎町と岩手県遠野市が、共同で新しいクラフトビールを開発した。
同町は著書「妖怪談義」で知られる柳田國男の生誕地。柳田は明治の半ば、30代の頃に遠野を訪ね、住人から河童や神隠しなど同地方に伝わる逸話を聴き取りして民話集「遠野物語」をまとめた。これを縁として、両自治体は2014年から友好都市交流を続けている。
新ビールは遠野市特産のホップと福崎町特産もち麦を使用したもので、今年で宣言10周年を迎えた記念事業として企画した。遠野で8月に式典を行った際に同町の前川裕量議長がもち麦を寄贈し、10月末の福崎秋まつりに遠野から市長や議長らが来福して完成品を届けた。
商品名は「カッパエール」で、ホップの苦味ともち麦の甘味が調和したフルーティーな味わいが特徴。ラベルには両自治体のシンボルである河童たちが乾杯する切り絵風のイラストを描いている。4千缶の限定醸造で、同町内では半数程度を駅前・辻川観光交流センターと文珠荘、もちむぎのやかたで販売している。350ミリリットル入りで税込550円。