数学者でエッセイストとしても活躍する藤原正彦氏が創設した姫路文学館のエッセイコンクールの今年度受賞作が決まった。
10回目となる今年度は、中学生部門333点、高校生部門1,339点、一般部門604点と、昨年より約500点多い2,276点の応募があり、アメリカ在住の日本人からも力作が寄せられた。
同館長の藤原氏の審査により、中学生は小池七海さん(明石市・中2)の「絵空事の世界」、高校生は杉本英さん(姫路市・高2)の「日常のかけら」、一般は山本築さん(福岡市・40歳)の「母の終活」が最優秀賞に選ばれた。杉本さんは、面白みのない日常に慣れていた自分がふとしたことをきっかけに、いつもの通学バス車内で何気なく目にする乗客や道行く人々にも小さなドラマがあることを発見、「目の前のことばかりに縛られていると苦しくなるけれど、少しアングルを引いてみれば、たくさんのドラマが映り込み、背中を押してくれる」と、やがて前向きで新鮮な気持ちになれた喜びを綴っている。
表彰式はこのほど同館で行われた。各入賞作品は同館ホームページ(http://www.himejibungakukan.jp)で読める。