播磨臨海道が大きく前進 国交省、詳細ルート提示

社会・行政

国交省近畿地方整備局から播磨臨海地域道路のルート計画案を受け取る齋藤知事と沿線首長ら

 全国第2位の製造品出荷額を誇る〝ものづくり拠点・播磨〟にさらなる発展をもたらすと期待される「播磨臨海地域道路」(神戸市西区─太子町間の総延長約50キロ)のうち、優先整備される第二神明─広畑間の36キロについて、11月28日、国土交通省がこれまで検討してきたルート計画案を都市計画決定権者である兵庫県と神戸市に示した。
 優先区間のルートにはもともと、姫路・高砂で主に工業系地域を抜ける「内陸案」と海上空間を通る「沿岸案」の両パターンに、東の接続点を加古川バイパスとする「加古川ルート」、第二神明とする「明石ルート」の2経路を組み合わせた4案があり、この中から2020年11月に「内陸・加古川ルート帯」(幅1.4キロ)が選定されていた。
 今回示された計画案は、同ルート帯上で絞り込んだ詳細ルートと構造の方向性をまとめたもの。内容は一般には非公開だが、今後、住民説明会を実施していく過程で明らかになる。県と神戸市はこれに基づき、交差する道路や河川、鉄道の管理者、警察などと協議しながら、周辺のアクセス道路も含めて具体の計画を策定していくことになる。県は沿線市町と連携して取り組む。
 当日は県庁に国、県、沿線市町の関係者が集まって計画案の手交式を実施。国交省近畿地方整備局の渡辺学局長が「地域の意見を十分に聞きながら、しっかりと手続きを進めてほしい」と要請すると、齋藤元彦知事は「姫路港の脱炭素化に向けても重要な道路。早速、地元市町とともに着手したい」と応答。播磨臨海地域道路網協議会の会長を務める姫路市の清元秀泰市長も、「播磨のポテンシャルを最大限に有効活用するため、一刻も早く実現したい。我が国の発展にも貢献すると確信している」と意義を述べ、感謝した。
 同道路の完成時期は未定だが、県は「ひょうご基幹道路ネットワーク整備基本計画」の中で2038年頃までの優先区間開通、50年頃までの全線開通を目指している。総事業費は約5900億円と想定されている。

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