姫路市内唯一の男女共学私立高校「東洋大学附属姫路高校」(姫路市書写)が創立60周年の記念行事をこのほどアクリエひめじで開催、在校生や保護者、教職員など約1800人が節目を祝った。
同高は、第一次ベビーブームを経て高校進学希望者が激増した1960年代初めに同市出身で東洋大学同窓会の兵庫支部長だった松井茂雄氏(初代校長)が「進学希望者の受け皿に」と設立を発起。市が現在地を無償提供することで実現の目処がつき、63年4月に男子校として約600人を迎え開校した。
硬式野球部の甲子園大会優勝(77年)や県高校総体での総合優勝(79年)で「スポーツの東洋大姫路」との印象を長らく持たれてきたが、もともと大学進学者も多く、89年の男女共学制導入に始まり、2011年に難関国公立大学への現役合格を目指すスーパー特進コース、14年に附属中学校を開設したことなどで近年は文武両道の中高一貫教育校としての認識が定着している。
行事では安齋隆学校法人東洋大学理事長、大森茂樹校長、坂上明憲同窓会長の喜びの挨拶の後、漫画家や放送作家として多方面で活躍中の同校OB・星野ルネさん(39)が「アフリカ少年が姫路で育って気づいたこと」と題して講演。
カメルーン共和国生まれの星野さんは、4歳時に母の再婚で移住した姫路で、人種や民族の違いによる周囲の思い込みに苦慮しながら育った少年期を面白おかしく紹介。「自分は人見知りでなかなか友達をつくれなかったが、大人になってやっと多様性の海を楽しめるようになった。皆さんがもし、悩みやコンプレックスを持っているなら、それは将来成長するための貯金だというくらいに捉えて、どんどんチャレンジしていってほしい」と生徒たちを激励した。
また行事終幕には、8月に英国で行われたバトントワーリングの世界大会で見事優勝した同校2年・恒藤詩奈さんが演技を披露。華麗なバトンさばきに大きな拍手が贈られた。